2017年 03月 16日
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健康診断で尿酸値が高いと言われたら? 痛風になる前にできること

「尿酸値が高い」と健康診断で指摘されたことはありませんか?血液の尿酸値が標準値を超えて高くなると(高尿酸血症)、痛風を引き起こしやすくなることが知られていますが、そもそも尿酸とは何なのでしょうか。尿酸が増える原因や引き起こす病気、その対処法についてもみていきましょう。
痛風の原因となる尿酸の正体とは?
私たちの体内にある細胞には、DNAなどで知られる遺伝子物質、核酸が存在します。細胞を新しく生み出すために欠かせない核酸ですが、それを構成する物質のひとつがプリン体です。プリン体は細胞の新陳代謝によって分解され、その老廃物が尿酸と呼ばれるものです。
尿酸は通常、ヒトの体内で1日あたり0.6gずつ作られています。尿酸は痛風などを引き起こす悪い物質というイメージがありますが、尿酸そのものが病気をもたらすわけではありません。尿酸は体内で生成されても、汗や尿、便などとともに排出されますが、うまく体外に排出されないと尿酸値が高くなり、病気を引き起こす原因となるのです。
尿酸値が高いとこんな病気になるかも……?
尿酸値が7.0mg/dLを超えると、「高尿酸血症」と診断されますが、放置すると次のような病気になる可能性が高くなります。
・痛風
尿酸の結晶が関節にたまって炎症を起こし、足の親指の付け根などの関節が赤く腫れて激しい痛みを起こすものです。
・尿路結石
尿酸が尿の通り道である尿管で結晶化して石のようになり、腹部や背部に「疝痛発作」と呼ばれる激しい痛みを起こす病気です。
・痛風腎
腎臓に尿酸がたまり、腎臓の機能障害を引き起こします。ほとんど自覚症状がみられないため、早期発見が大切です。
このような症状が出る前に、「尿酸値が高い」と言われたら早めに病院で受診するようにしましょう。
尿酸値が高いときは、プリン体を含む食べ物を控えた方がいい?
尿酸値が高い場合、まず尿酸のもとになるプリン体を含む食事を控えることが望ましいと言えます。ところが、尿酸のもととなるプリン体は、ほぼすべての食品に含まれています。そのため、食事でプリン体を全く摂らないようにするのは不可能ですが、摂取量を減らすことはできます。主食・主菜・副菜をバランスよく組み合わせた食事をすることが大切です。
プリン体を多く含む食材として代表的なものは以下の通りです。
尿酸値が高めの人はこれらの食材をなるべく避けるようにするとよいでしょう。
・煮干しや鰹節、干し椎茸
・マイワシやマアジの干物
・イサキ白子、大正エビ
・レバー(鶏、豚、牛)
また、プリン体は水に溶けやすいため、例えばゆでる・煮るなどで含有量を減らすことができます。このように調理法を工夫することも、対策のひとつと言えるでしょう。
尿酸値を下げるのは食事だけじゃない!尿酸値を下げる5つの習慣とは?
尿酸値を下げるためには食事はもちろんですが、それだけではなく生活習慣の見直しが必要です。毎日の生活のなかで、次の5つの習慣を身につけましょう。
1日に摂取する総カロリーを抑える
尿酸値を下げるためにまず見直したいのは、摂取カロリー量です。適正なカロリー量で、栄養バランスのよい食事を摂ることが効果的で、痛風の改善や合併症の防止にもつながります。食事のときにはゆっくりよく噛んで食べ、腹八分目にとどめることを心がけましょう。
アルコールと上手に付き合う
アルコール飲料は尿酸値を上げてしまうものです。適量を守る、休肝日を必ず設ける、飲みすぎた翌日は飲酒を控えるなどの工夫をして、アルコールと上手に付き合いましょう。
こまめに水分補給する
体内の余った尿酸を尿や汗などとともに体外へ排出するには、こまめな水分補給を心がけるのが一番です。1日に2リットルの水分を摂ることが理想です。水などを一度に大量に飲むのではなく、何回かに分けて少しずつ飲むようにします。ただし、コーヒーなどカフェインを含むものは利尿作用があり、体内の水分が排出されすぎてしまうため、摂取を控えましょう。
有酸素運動で肥満を解消
中性脂肪は尿酸の生成を促してしまうため、肥満を解消することも重要なポイントです。ウォーキングやジョギングなどの軽めの有酸素運動を無理のない程度に行ないましょう。
ストレス解消を心がける
職場で重責を担っている、大事なプロジェクトを控えているなど、ストレスがたまると、尿酸値が上昇しやすくなる傾向があります。散歩や軽い運動でリフレッシュしたり、好きな音楽を聴くなどしてストレスを解消するようにしましょう。
尿酸値が高くても、生活習慣や食生活を見直すことで改善することもあります。痛風などの病気になって苦しまないためにも、「尿酸値が高い」と言われたら、医師に相談するなどして、正常値に戻す努力が大切です。