2016年 12月 16日
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気温が下がる寒い季節、高血圧の人は注意が必要

寒い季節になると、血圧が上がりやすくなります。
気温が下がると身体は体温を逃がさないように、血管を収縮させます。血管が収縮すると血流が悪くなり、血を押し流すためにより強い力が必要になります。そのために血圧が高くなるのです。
もともと血圧が高い人は、寒さを感じる時期には特に注意が必要です。
急激な気温差に要注意
血圧が高い人は、寒い場所でさらに急激に血圧が高くなることで、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす危険性が生じます。急に寒い屋外に出た時や温かいお風呂場から寒い脱衣所に出た時、熱いお風呂に入った時などは注意が必要です。ちなみに、注意が必要な温度差の目安は10℃です。
温度変化による急激な血圧の上昇を避けるための対策法は
・脱衣所を暖めてから入浴する。湯船の蓋を取り、事前に浴室の温度も上げておく
・高血圧の人は、1番風呂を避ける
・湯船のお湯を熱すぎないようにする(目安は41度以下)
・寒い季節に外出する時には、マフラーや手袋などを使い、冷たい外気に当たる場所を減らして、暖かい服装をする
などがあります。
高血圧の数値
血圧とは、血が流れるときに血管にかける圧力を数値化したものです。血圧の適正値は、年齢や合併疾患によって異なりますが、最高血圧(収縮期血圧)が140mmHg未満/最低血圧(拡張期血圧)は90mmHg未満とされています。
つまり、繰り返し測定しても最高血圧が140mmHg以上/最低血圧が90mmHg以上は高血圧ということになります。
高血圧で起こる問題とは?
高血圧の状態だとどんな問題が起こるのでしょうか?
血管には、本来弾力性があり血圧の上下に対応できる性質があります。しかし常に高血圧の状態が続くと、血管は張りつめた状態が続くため血管の壁の弾力性が失われ、固くなってしまいます。
これが高血圧によって起こる動脈硬化です。動脈硬化になると、命にかかわるような心臓や脳の病気を引き起こしやすくなります。脳の病気としては、脳梗塞や脳出血、心臓では心筋梗塞や狭心症などです。他にも大動脈瘤や腎障害、眼底出血などの原因になることもあります。
高血圧症の原因と治療法
高血圧症の原因とは?
高血圧症になる原因は、すべてがはっきりとは解明されていませんが、食生活などの生活習慣と遺伝的な要素が、原因の一部であることは判明しています。
生活習慣的要素は以下のものがあります。
・塩分の摂り過ぎ
・過度の飲酒
・タバコ
・心的なストレス
・運動不足
・肥満
・ミネラル(野菜や果物)の不足
他の病気が原因で高血圧症が引き起こされている場合もあります。これは原因がはっきりしているので、病気が治療できれば高血圧も解消されます。
高血圧症を治療する
高血圧症の治療は、生活習慣の改善と薬物療法となります。食事療法と運動療法で一定の効果が得られない場合には、薬が処方されます。
食事療法とは、まず塩分を減らすことです。1日6グラム以下にすることが良いとされています。
そして、食事全体のカロリーを減らす、飲酒量を減らす、ということが重要です。
運動療法は、最低20分くらいで、毎日続けられるものが良いでしょう。
高血圧が続いて動脈硬化が悪化すると、治療は難しいばかりか、命に関わる病気を引き起こしかねません。
自宅に血圧計をひとつ置き、血圧を測ることを習慣にすることをおすすめします。
「最近血圧が高いことが続くな」と感じたら、食事内容を見直す、できるだけ歩くようにする、など早めに対策したいものです。