2016年 12月 05日
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スマホのブルーライトは危険?体に与える影響とは

ここ数年のスマホの普及で子どもから大人までスマホを見る時間が長くなっています。それに伴い、ブルーライトという言葉を目や耳にするようになりました。スマホから発せられるブルーライトは、目や体に悪いイメージがありますが、そもそもブルーライトとは何か、またどのような影響があるのかをご説明します。
ブルーライトとは
スマホやPCのディスプレイに多く含まれる
時代の流れで省エネ化が進み、パソコンや液晶テレビのLEDディスプレイ、LED照明器具が急速に普及しました。ブルーライトは、特にスマホやゲーム機、パソコンなどデジタルディスプレイから多く発せられ、長時間の使用は問題があるといわれています。
紫外線と同じエネルギー
私たちが目でみることのできる光=可視光線の波長は400~800nm(ナノメートル)と言われ、値が低いほど紫外線に近く、高いほど赤外線に近づきます。ブルーライトの波長は380~500nmで、紫外線に最も近く強いエネルギーをもつ光です。
体内のリズムに影響を与える光
ブルーライトは、人間の体内リズムに影響を与える光でもあります。
人は、朝になると自然に目を覚まし、夜になると眠くなります。このように、昼と夜を作る1日のリズムを「サーカディアンリズム」といいます。
私たちは、ブルーライトのような強い光を日中に浴びることで、体内のリズムを整えています。ブルーライトは、サーカディアンリズムをコントロールし、人の健康を維持する大切な役目も果たしています。
ブルーライトが体におよぼす主な影響
目への負担
紫外線を大量に浴びると皮膚に悪影響を与えるように、目にも強いダメージを与え、白内障や加齢黄斑変性などの病気の原因となってしまいます。紫外線の波長に近いブルーライトもこれらの病気を引き起こす要因となります。
また、長時間スマホの画面を見ていると、少なからず眼の疲れや目の乾きなどを感じます。眼精疲労は、これまで姿勢の悪さやまばたきの回数が減少することなどが原因とされてきましたが、最近は、ブルーライトが大きな要因と言われています。
ブルーライトは波長が短く散乱しやすい性質をもつため、眩しさやちらつきなどの原因になります。それにより脳はピントを合わせるのに苦労し、瞳孔を縮めようと目の筋肉を酷使するため、目の疲れや肩こりにつながるのです。
睡眠障害
寝る直前までスマホの画面を見てブルーライトの強い光を浴びると、睡眠や新陳代謝などにさまざま効果を発揮するホルモンである「メラトニン」が分泌されにくくなり、寝付きが悪い、眠りが浅いなどの睡眠障害につながります。
精神への影響
ブルーライトは、精神状態にも影響を与えると考えられています。
ブルーライトの光は網膜から脳にダイレクトに届けられ、精神状態に関するさまざまなホルモンを刺激するのです。
朝にブルーライトを含む太陽の光を浴びると、「朝の活動が始まるぞ」という体内時計のセンサーが作動し、脳が活性化し、元気に活動を開始することができます。
太陽の光を浴びることが少ない夜型生活の人は、「メラトニン」の分泌がうまく調整できず、睡眠障害の他にうつ病や統合失調症などの症状が報告されています。
ブルーライトは、体内時計の調整をするという重要な役割がある一方、過剰に浴びるとイライラしやすくなり、また落ち込みやすくなるといった悪影響が多く指摘されています。
しかし全ての精神的影響についてはまだ解明されていません。
肥満への影響
寝る直前までスマホやパソコンの画面を見ている生活は、肥満の原因になると言われています。
前述の「睡眠障害」の項で、就寝前にブルーライトを浴びると「メラトニン」が分泌されにくくなり、寝付きが悪く眠りも浅くなると説明しました。
「メラトニン」は睡眠リズムを整えるだけでなく、体の代謝を調整する役割を持っているため、基礎代謝が低下しカロリー消費量が落ちてしまうと考えられるからです。
また睡眠障害に陥ると、そのストレスから過食に走ってしまうこともあるでしょう。
ガンにもなりやすい!?
ガンとブルーライトの因果関係はまだ明らかにされていませんが、深夜勤務のある看護師さんや国際線の乗務員、交代勤務に就いている女性の乳ガン発生率は非常に高くなることが報告されています。やはりサーカディアンリズムの乱れにより、メラトニンの分泌量が大きく影響するためではと考えられます。
ブルーライトが体に悪影響を及ぼすのは、浴びる時間の長さやタイミングが問題なのであり、それ自体は必要なものです。そうはいっても、現代社会においてスマホやパソコン、LED照明から浴びるブルーライトの量は以前より確実に増えているといえます。日常生活では寝る直前はスマホやパソコン画面を見ない、なるべく見ない日を作るといった意識的な習慣も必要になるでしょう。