2017年 03月 09日
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気になる体臭と口臭、大丈夫?怖い病気の可能性と適切な対処法

他人の体臭や口臭はすぐ分かるのに、自分のことになるとなかなか気づきにくいものです。
実は体臭や口臭は、怖い病気のサインである可能性も。病気が原因の体臭、口臭にいち早く気づくためには、その特徴を知っておくことが大切です。
体臭の原因
体臭の原因は、人間の体から出る汗や皮脂です。最も大きな要因である汗は、それ自体にほとんど臭いはありません。しかし、皮膚にあるアポクリン腺やエクリン腺から放出された後、細菌によって分解されると体臭が発生します。皮脂腺から分泌された皮脂も、空気に触れて酸化し細菌と混ざり合うと、やはり体臭のもとになります。
体臭には病気が原因のこともある?
体臭の原因が実は病気の場合もあります。体臭を発生させる病気をいくつか紹介します。
1.魚臭症(トリメチルアミン尿症)
魚臭症(トリメチルアミン尿症)は、体臭や口臭が、魚の腐ったような臭いのため、この名がついた病気です。食べ物を消化するときに発生するトリメチルアミンという物質の臭いが腐った魚の臭いのもとで、肝臓の機能低下などが原因で分解されずに体内にとどまり、汗や呼気、尿から発散されることで、体臭となってしまいます。
2.脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎は、顔のTゾーンや頭皮、胸、背中の中央部、ワキの下などで皮脂が過剰に分泌される病気です。皮膚の赤みとかゆみを伴い、頭皮で発症するとフケのようなものが大量に出てしまいます。体臭は、頭皮から強い脂っぽい臭いが発生します。
3.糖尿病
糖尿病は、血液中の血糖量が増えすぎてしまう疾患です。血糖のコントロールが正常にできなくなると体内でケトン体という物質が生成されます。このケトン体が独特の臭いを発生させ、体臭や口臭の原因になります。
糖尿病が原因の体臭や口臭には臭いの特徴がある!?
糖尿病になると体臭や口臭が発生するとお伝えしましたが、そのメカニズムについてさらに詳しく紹介します。
糖尿病は、インスリンの不足や機能低下によって糖の代謝異常が起き、血中の糖分が増えすぎてしまう疾患です。糖の代謝が進まなくなると、体は代わりに脂肪をエネルギーとして分解します。この際に生成されるケトン体という物質がツーンとした強い甘酸っぱい臭いのもとです。ケトン体は、血流に乗って全身を行き渡るため、呼気や汗が独特の甘酸っぱい臭いを放つようになるのです。
また、歯周病や虫歯の悪化と糖尿病の悪化は関連しているため、糖尿病が悪化すると口の中の環境も悪化して口臭がひどくなります。これもあまり知られていませんが、糖尿病の治療で血糖値が改善されると歯周病の改善につながり、反対に歯周病の治療やケアをしたことが血糖値の改善につながる、相互関係にあるのです。
体臭改善の方法は?
体臭や口臭の陰に病気が潜んでいる場合には、原因となる疾病からの回復が臭いの改善への一番の近道です。食べ過ぎや飲み過ぎなど、肥満になりやすい食生活を送っているならば、食事や運動など生活習慣全体を見直してみましょう。体が健康になり、さらに体臭や口臭も改善されたら一石二鳥です。
また、基本的なことではありますが、体臭を改善するには清潔を保つことも大切です。汗をかいたらこまめに拭き、市販の制汗スプレーや汗拭きシートなどで、体臭の原因となる細菌の繁殖を防ぎましょう。お風呂につかって汗をかいたら、消臭効果のある薬用石鹸やボディソープで体を洗い、しっかりシャワーで洗い流すと効果的です。
口臭対策は、なんと言っても歯磨きをすることです。口臭の原因の硫黄化合物を取り除く歯磨き粉などを使用すれば、長時間臭わない息でいられるでしょう。
体臭や口臭はさまざまな原因で発生しますが、その陰に病気が隠れていることもあります。生活習慣を見直すことが体臭や口臭の改善はもちろん、病気の回復にもつながるかもしれません。