2017年 02月 10日
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女性だけじゃない!男性でも大病に発展しうる怖い貧血

「立ちくらみがする」「なんとなく体がだるい」「顔色がすぐれない」といった貧血の症状を抱えていませんか?女性の5人に1人は何らかの貧血の症状をもっていると言われています。このような症状は、寝不足や疲れと関係することも多いので軽視されがちですが、しかし貧血が重症化すると深刻な症状を引き起こすことがあります。そして男性も女性と同様に注意が必要です。
貧血とは
貧血とは「血液内のヘモグロビン量が減少し、低酸素状態になること」です。
ヘモグロビン(Hb)とは、血液中の赤血球の中にあるタンパク質。血液中に酸素を運ぶ役割を担っています。このヘモグロビンが減少すると、血液が酸素不足になり、立ちくらみなどの症状が起こります。
貧血の主な症状
貧血の初期症状としては、立ちくらみやめまい、だるさ、手足の冷えや肩こりなどがあげられます。症状が進むと、顔色が悪い、肌がカサつく、爪が割れやすくなる、など外見にも症状があらわれるようになります。さらには頭痛や吐き気がしたり、少し動いただけで動悸がするなど、日常生活にも支障をきたすようになります。
貧血の原因と種類は?
貧血には様々な原因がありますが、主な原因は鉄分不足や出血です。
たとえば、生理、妊娠・出産、急激な成長、極端なダイエットなどによって、体内の鉄分が不足し、貧血になることがあります。また、がんなどの病気によって出血し、貧血になることもあります。そのため貧血になりやすい状況が女性に多いのです。
ほとんどの貧血は「鉄欠乏症貧血」
貧血にもさまざまな種類がありますが、もっとも患者数が多いのは「鉄欠乏症貧血」です。特に、女性の貧血のほとんどは、鉄欠乏症貧血だといわれています。鉄欠乏症貧血は、赤血球の原料となる鉄分のほか、タンパク質やビタミンB12が不足することで起こります。初期の鉄欠乏症貧血は、食事療法で改善されるケースも少なくありません。症状が現れたら、早めにケアを行いましょう。
男性は要注意!貧血症状が出た時は深刻な場合も
男性は、男性ホルモンの影響で体内の貯蔵鉄や赤血球の数が女性よりも多く、さらに、女性のように生理や妊娠・出産で鉄分を失う機会がないため、鉄欠乏症貧血になる方は多くありません。
したがって、男性に貧血の症状が出たときは、鉄欠乏症貧血ではない深刻な貧血を疑う必要があります。
・溶血性貧血
赤血球の活動期間はおよそ120日ですが、通常よりも赤血球が短期間で破壊されて起こる貧血です。その中でも最も多い自己免疫性溶血性貧血は、赤血球を壊す自己抗体が体のなかにできてしまうことが原因で、ウイルス感染や薬剤により起こる場合もあるますが、根本的な原因は不明です。
一般的な貧血症状-めまいや動機、立ちくらみなどの症状のほかに、血液を作るための材料を貯蔵する脾臓にも負担がかかるため、脾臓が腫れ、黄疸症状が現れるのが特徴です。
症状進むと、発熱や脱力感などの全身症状が起こり、さらにこの状態が続くとショック状態に陥り命に関わることもある恐ろしい貧血です。
・再生不良性貧血
血液を作る骨髄の働きに異常が起き、血液の生産量が低下して起こる貧血です。赤血球のほかに白血球・血小板の数も減少するので、細菌に感染しやすく、また出血が起きやすくなります。
この貧血はゆっくり進行するため自覚症状があまりないことが多く、初期は頭痛やめまいなどの症状ですが、重症化すると血尿や消化器官からの出血・脳出血が起こることもあります。さらに細菌感染による重篤な肺炎や敗血症などを発症することもあります。
・悪性貧血(巨赤芽球性貧血)
ビタミンB12と葉酸が欠乏することにより、赤血球がうまく作れないことで起きる貧血です。
たとえば、胃の手術により、胃壁細胞で作られるビタミンB12の結合に必要な糖タンパクが不足した場合、妊娠でビタミンB12の消費量が増えた場合、腸内細菌や寄生虫によりビタミンB12が消費されつくしてしまった場合に起こります。
一般的な貧血症状のほかに、萎縮性胃炎や下痢などの消化不良、舌の痛みや知覚障害などが生じます。
もちろん、このような深刻な貧血は女性でもなる方はいますので、男女とも注意が必要です。
貧血にかくれた病気の可能性
慢性的な病気が原因でじわじわと出血が続き、知らないうちに貧血が進んでいる場合があります。たとえば、女性の場合は、月経時の血液が異常に多い過多月経のほか、子宮筋腫、卵巣のう腫など、婦人科系の病気が考えられます。性別にかかわらず、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がん、大腸がんなどで内臓からの出血が起き、貧血の原因なることもあります。
男性の胃がん患者数は、女性の2倍といわれます。消化器系の病気に不安がある男性は、がんと貧血が密接な関係にあることを頭に入れておいてください。
貧血は食生活の改善から
貧血の症状が進むと、鉄剤を内服したり、貧血の原因を治療したりする必要があります。しかし、初期の段階であれば、食生活を整えて栄養バランスの良い食事を摂れば、症状が改善することもあります。鉄欠乏性貧血は、ヘモグロビン内の鉄分不足によって起こります。鉄分やビタミンを多く含む肉類、レバー、赤身の魚、緑黄色野菜、ひじき、ナッツなどを意識して食べましょう。また、意識的に休息をとり、ストレスフリーの生活を心がけることも大切です。
貧血の症状は「疲れているだけ」「ただの体調不良」と片付けてしまいがち。特に、男性の貧血は、女性の貧血と比べて、深刻な病気である可能性が高めです。常日頃から自分の体のサインに耳を傾け、体調の変化を見逃さないようにしましょう。