2016年 10月 24日
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夏の終わりは要注意!季節の変わり目に悪化するアトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、細菌、ウイルス、アレルギー物質などが体内に侵入し、皮膚の免疫機能が過剰に反応することで生じる湿疹です。
アトピー性皮膚炎は、アレルギーを起こしやすい体質であれば起こりやすくなります。また、皮膚に長期間強い刺激を与えることや、疲労することなどによって、皮膚のバリア機能が弱ってしまい、症状が悪化することもあります。
さらに、アトピー性皮膚炎には、季節の変わり目に悪化しやすいという特徴もあります。そんなアトピー性皮膚炎にどう対応すれば良いのか。その予防法などについて紹介します。
アトピー性皮膚炎の特徴
アトピー性皮膚炎は、皮膚に炎症が起こる疾患です。主な症状は「かゆみ」と「湿疹」で、悪化の度合いによって肌の状態が変わっていきます。一番ひどい状態では、皮膚が真っ赤にただれ、体液が出て表面がじゅくじゅくしてきます。症状が改善すれば、ガサガサのごわついた皮膚が剥がれ落ち、正常の肌へと変化します。軽度か重度かで、治療期間は異なり、数ヵ月~半年間、1年以上かかる場合もあります。症状が出る部位は、関節の内側(肘、膝)や首、腹、顔面が主です。ただ、皮膚のある部位なら、どこでも症状が出る可能性があります。
秋に悪化しやすいアトピー性皮膚炎の原因
アトピー性皮膚炎の原因は人によって異なりますが、主な原因は、肌のバリア機能異常と免疫の過剰反応です。その他、ストレスや疲れ、環境の変化などの負担が原因となる場合があります。
季節の変わり目には、気温や湿度の変化により、肌への負担が増加することで、アトピー性皮膚炎が悪化しやすくなる傾向があります。特に秋は、一日の寒暖差が大きく、空気も乾燥し始める時期でもあり、肌への負担がより一層増える時期なので適切なケアが重要です。
アレルゲン除去と掃除が予防法
アトピー性皮膚炎の悪化を予防する方法は、大きく分けて2点あります。
1点目は、アレルゲン除去です。食物、ハウスダスト、花粉、紫外線、化学薬品など、アレルギーを悪化させる原因を、生活からなるべく取り除きましょう。2点目は、こまめな掃除と換気です。寝具、カーペット、エアコンのフィルター、換気扇、カーテンなど、ほこりがたまりやすい箇所を掃除しましょう。
ただ、アトピー性皮膚炎の原因は十人十色で個人差があるため、「これをやっておけば間違いない」といった保証がありません。それを理解したうえで、できる対策を講じていきましょう。
秋のアトピー性皮膚炎対策に関しては、季節の変化で皮膚に負担がかかることを前提に、早めにスキンケアをして肌のバリア機能を補うことが大切です。
セルフケアも大切!アトピー性皮膚炎の対策と治療
アトピー性皮膚炎の対策と治療に有効なポイントは3点あります。
薬物療法
1点目は、薬物療法。ステロイド薬(副腎皮質ホルモン剤)を使用することです。ステロイドは、過剰な免疫反応を抑えてくれます。強さには5段階があります。効果の強いステロイドから始めたら、症状改善に合わせて、効果の弱いステロイドに変えていき、最後には保湿剤へと進めるのが基本です。医師の診断を元に適切な種類や量、頻度で塗りましょう。
ステロイドの他にも、過剰なアレルギー反応を抑制する抗ヒスタミン剤の使用も有効です。季節の変わり目には、炎症が起こる前からステロイド薬や保湿剤を使用して、悪化を未然に防ぎましょう。
スキンケア
2点目は、スキンケアです。健康な皮膚は弱酸性で、様々な菌がバランスよく存在しています。一方、アトピー性皮膚炎の肌はアルカリ性寄りで、抵抗力と殺菌力が弱まっています。そこへ、アトピー性皮膚炎を悪化させる「黄色ブドウ球菌」が増えると、症状はさらに悪化してしまいます。入浴などで肌を清潔に保ち、保湿剤で肌をバリアして、黄色ブドウ球菌が肌に増えることを防ぎましょう。
セルフケア
3点目は、セルフケアです。アトピー性皮膚炎は、精神状態の影響を受けやすく、特にストレスを感じたときに、かゆくなります。ストレスを減らすため、ストレスをうまく発散しましょう。また、薬物療法やスキンケアも重要ですが、食事・運動・睡眠といった健康の基本を押さえることも大切です。炎症が悪化すると日常生活に様々な支障が出ることもありますが、その中で「どう病気と付き合っていくか」を意識して、改善に向かわせましょう。
季節の変わり目は、よりアトピー性皮膚炎が悪化しやすくなります。季節が変わる前から、予防、対策をしっかり行って、調子の良い状態で、次の季節を迎えましょう。