2017年 02月 16日
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意外と知らないビタミンの歴史と名前の不思議

ビタミンについての雑学クイズに挑戦しよう!
12月13日は「ビタミンの日」。そこで、今回はビタミンにちなんだクイズに挑戦してみましょう!
Q:次の物質のうち、ビタミンに属さないものはどれでしょう?
①葉酸 ②ナイアシン ③パントテン酸 ④ビタミンK ⑤ビタミンP
A:⑤ビタミンP
ビタミンPはビタミンに近いはたらきを持つビタミン様物質ですが、厳密にいうとビタミンではありません。柑橘系に含まれるヘスペリジンをはじめ、蕎麦に含まれるルチン、玉ねぎに含有されるケルセチン等の総称で、フラボノイド化合物とも呼ばれています。主に毛細血管の強化や血圧上昇の抑制、血中の中性脂肪を分解する作用があります。
クイズの中のその他の物質についても簡単にご紹介しておきますね。
葉酸:水に溶けやすい水溶性ビタミンでビタミンB9とも呼ばれています。
ナイアシン:ニコチン酸とニコチン酸アミドの総称でビタミンB3とも呼ばれる水溶性ビタミンです。
パントテン酸:水溶性ビタミンの一種でビタミンB5とも呼ばれています。
ビタミンK:脂に溶けやすい脂溶性ビタミンで、 フィロキノン、メナキノン、メナジオンの総称です。
ビタミンと名前の付く物質には、本当にさまざまな種類がありますね。
水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンが発見されるまで
ビタミンは、日本人の鈴木梅太郎氏によって世界で初めて発見されました。12月13日は「ビタミンの日」とご紹介しましたが、この日は鈴木梅太郎氏がのちにビタミンB1と同じ物質だと判明するオリザニンの発見を学会で発表した日です。
その後、アメリカのマッカラムは、動物の飼育実験中に、成長促進因子として脂溶性の物質と水溶性の物質があることを発見しました。これらは「脂溶性A」「水溶性B」と命名され、現在のビタミンA群とビタミンB群のいわれです。
ビタミンの名前には謎がある?
ビタミンの名前は、発見された順にアルファベットが割り振られています。しかし、途中で抜けているアルファベットがあるのに気づかれるでしょう。ビタミンB群にも抜けている数字がありますが、これはどうしてなのでしょうか?
アルファベットに欠番がある理由
ビタミンの名前を見ていくと、途中でアルファベットがいくつか抜けています。たとえば、ビタミンAからEまでは順番通りに揃っているのに、F、G、Hはなく、次は何故かビタミンKに飛んでいます。
実は、過去にはビタミンF、G、Hも存在していたことがあります。しかし、ビタミンFは必須脂肪酸のリノール酸と同じ成分であることがわかり、のちに削除されました。これと同様にビタミンGとHも発見後にビタミンB群に含まれる成分だと判明したために省かれています。このような理由からビタミンの名前には途中に欠番があるのです。
IとJはもともと発見されておらず、ビタミンKは血液凝固作用があるためオランダ語で凝固を意味する「koagulation」の「K」を取って名付けられました。
ビタミンB群の数字が抜けている理由
ビタミンBは発見当初、一種類のビタミンだと考えられていました。しかし、のちに複数の化合物の集合体であることがわかり、発見された順に数字が割り当てられたのです。しかし、この数字も途中いくつか抜けていて、現在残っているのはビタミン1、ビタミン2、ビタミン6、ビタミン12の4種類です。抜けた数字のビタミンは発見後に実はビタミンではなかったり、他のビタミンと同じ成分であることが判明したために削除されました。ビタミンB3やビタミンB5、ビタミンB9については、それぞれナイアシン、パンテトン酸、葉酸の名前で呼ばれる方が一般的になっています。
普段、何気なくビタミンの含まれる食品を食べながらも、意外とその歴史や名前の由来についてはご存じなかったのではないでしょうか?風邪が流行するこれからの季節、ビタミンが含まれる食事をバランスよく食べて元気に過ごしていきましょう。