治験ボランティアのメリット&デメリット

治験は、治験を行う医師にから治験のメリット、デメリットについて十分説明を受け、治験に参加する本人がその内容をよく理解された上で、本人の自由意思に基づいて行われています。
ここでは、主にフェーズ2(第2相)試験あるいはフェーズ3(第3相)試験に参加された患者さんのメリット、デメリットについてあげました。

治験ボランティアのメリット

最先端の治療方法を受けることができる

治験に参加すると、開発中の新しいくすりでの治療を受けることができます。これまでの治療法では効果が見られなかった疾患が、改善する可能性もあります。

専門医の丁寧な診察が受けられる

治験中は、定期的に検査・診察が行われます。これによって、治験参加者は、専門医の丁寧な診察とアドバイスを受けることができます。

病気の状態を正確に把握できる

治験中の検査と診察によって、治験参加者の健康状態は、細かくチェックされます。治験参加者は、自分のからだや症状について、詳しい情報を知ることができます。

無料で検査・診察が受けられる

治験中に行われる検査や診察の費用は、製薬会社が負担します。また、検査のため指定された日に通院する、日常生活上のきまりを守る、定期的に薬を服用するといったご協力に対して、一定の基準に従って負担軽減費が支払われます。

社会に貢献できる

新しいくすりを世の中に誕生させるためには、必ず治験を行わなければなりません。治験ボランティアの方々の協力があって、初めてくすりは世に送られるのです。治験への参加は、新薬の誕生と、誰かを支えることにつながります。

治験ボランティアのデメリット

来院回数、検査回数、通院時間がかかる

治験参加者は、定期的に検査・診療を受ける必要があります。したがって、治験内容によっては、何度も来院し、何回も検査を受けなければならないこともあります。また、検査・診察は特定の医療機関で行われるので、住んでいる場所によっては、通院に時間がかかる可能性もあります。

規則正しい服薬や来院が義務づけられる

治験に参加すると、守らなければいけないルールがあります。たとえば、くすりを正しい時間に服薬すること、決められた日時に来院することなど。また、運動や食事に制限が加わることもあります。

プラセボ(偽薬)が処方される可能性がある

くすりとして効果のある成分が入っていないプラセボ(偽薬)を処方される可能性があります。これは、「効く」という思い込みによって症状が変化しないかを確認し、治験薬そのものの効果を客観的に評価するためです。なお、倫理的な観点から、類似した薬効をもつくすりを使用することもあります。

副作用が生じる可能性がある

どんな治験薬でも、未知の副作用が生じる可能性を、完全に取りのぞくことはできません。万が一副作用によって健康被害が生じた場合は、専門医の適切な治療や、内容や程度に応じた補償が受けられます。

「くすり」が私たちの手に届くまで臨床試験について