「くすり」が私たちの手に届くまで

くすりが誕生してから、私たちの手に届くまでには、およそ10年~15年という年月がかかります。基礎研究、非臨床試験、治験など、多くのプロセスを経て、やっとひとつのくすりができ上がります。

基礎研究 2~3年

くすりのもととなる新しい物質(成分)を植物・動物・微生物などの天然素材から発見したり、化学合成などのさまざまな科学技術によって作りだしたりして、将来くすりになる可能性や価値があるかを調べる。

非臨床試験 3~5年

くすりになる可能性のある物質(成分)を、動物や細胞を用いて試験し、くすりの効果や安全性を確認する。また、その物質の吸収、分布、代謝、排泄の過程を調べる。並行して、品質や安定性に関する試験も行われる。

臨床試験(治験) 3~7年

3段階に分けて臨床試験を行う。

フェーズ1(第1相)試験

対象:少人数の健康な方
・くすりの安全性を確認する
・体内でどのように吸収、分布、代謝、排泄されるかを調査する

フェーズ2(第2相)試験

対象:少人数の患者さん
・くすりの安全性を確認する
・病気を治す効果があるかを確認する
・くすりの使い方(用量、服薬期間、投与間隔)を定める

フェーズ3(第3相)試験

対象:多人数の患者さん
・今までに使われているくすりなどと安全性や有効性を比較する
・くすりの使い方(用量・服薬期間・投与間隔)を確認する

承認審査 ~2年

製薬会社がデータをまとめ、くすりとして承認してもらえるよう、厚生労働省に申請する。承認が得られると、くすりとして製造・販売が可能になる。

製造販売後調査 4~10年

製造・販売の承認が得られた後も、くすりの有効性と安全性を調査する必要がある。製薬会社は、製造販売後にいくつかの種類の調査を実施することが義務づけられている。

臨床試験について治験ボランティアのメリット&デメリット