臨床試験について

フェーズ1(第1相)試験

健康な方を対象にした試験※
一般的に、治験は3段階に分けて行われます。最初の治験は「フェーズ1(第1相)試験」といい、健康な方を対象にして行われます。
※くすりの種類によっては、何らかの症状をもつ方を対象にするケースもあります。

フェーズ1(第1相)試験の主な目的は、くすりの安全性を確認することです。加えて、くすりが体内でどのように吸収、分布、代謝、排泄されるかもチェックします。

●吸収

口から入ったくすりは、食道を通って胃に到達します。
そこで胃液などにより崩壊し、胃や小腸の粘膜から吸収されます。
※飲むくすりの場合

●分布

胃や小腸で吸収されたくすりは、血液やリンパ液にのって体内を巡り、効果を発揮します。

●代謝

効き目を果たしたくすりは、腎臓や肝臓で分解され、体の外に出しやすい形に姿を変えます。

●排泄

腎臓や肝臓で形を変えたくすりは、尿や便として、体外へ出されます。

治験のスケジュール

フェーズ1(第1相)試験のスケジュールは、治験内容によってさまざまです。
たとえば、数回の通院が必要なタイプ、2泊3日程度の入院が必要なタイプ、2週間程度の入院が必要なタイプなどがあります。
男性を対象とした試験が多いですが、女性を対象とした試験もあります。

フェーズ2(第2相)試験、フェーズ3(第3相)試験

フェーズ1(第1相)試験で基本的な安全性と効果が確認されたくすりは、第2段階のフェーズ2(第2相)試験と、第3段階のフェーズ3(第3相)試験に進みます。

フェーズ2(第2相)試験は、何らかの病気を患っている方を対象に行われます。
ここでは、くすりの安全性だけではなく、くすりが病気に対してきちんと効力を発揮するかどうかを調査します。加えて、くすりの適切な使い方(用量、服薬期間、投与間隔)も定められます。

フェーズ3(第3相)試験も、何らかの病気を患っている方が対象ですが、フェーズ3(第3相)試験では、数多くの患者さんを対象に実施されるのが特徴です。国外を含めて数千人単位の大規模な試験も行われます。
多くの治験ボランティアからデータを集め、くすりに関するより正確な情報がまとめられます。

インクロムでは、フェーズ2(第2相)試験とフェーズ3(第3相)試験の対象となる患者さんとして、糖尿病、高血圧症、脂質異常症などの生活習慣病や、骨粗しょう症、アレルギー性疾患をお持ちの方を、幅広く募集しています。
通院で参加できる試験がほとんどですが、入院を伴う試験もあります。
治験によってスケジュールはさまざまですが、できるだけ日常生活に負担がかからないよう、無理のない治験スケジュールが計画されています。

「くすり」が私たちの手に届くまで治験ボランティアのメリット&デメリット