ボランティアの声

大野勲さん(57歳)

大野勲さん タバコは吸わない、酒は飲めない私にとって、食べることは人生の楽しみのひとつ。

スリムとは言えないまでも、結婚してから10数年間は体重が増えることもなく、健康不安を感じるような自覚症状もないまま40代を迎えました。しかし、45歳頃からじわじわと太り始め、「少しは気にしたほうがいいかな」と思っていたところ、友人から治験ボランティアを紹介されたのです。

健康診断を受けたのは20歳の人間ドックが最後。バリウムで気分が悪くなり吐いてしまったことで苦手意識が芽生え、市民健診すら敬遠してきました。でも、糖尿病治療薬の治験に参加できれば、自分の体が本当に“メタボ”なのか、まだ薬を飲むほどではないのか詳しく調べてもらえるし、費用もかからないのだから良いチャンスだと考えました。

3年ほど前に登録説明会に来たときは血糖値が正常範囲内に収まっていたのですが、この夏に初めて「耐糖能異常」と診断され、月1~2回の頻度で来院しています。一日の摂取カロリーを1800~1900kcalに抑えるのが理想と言われても、朝からカレーでも平気という健啖家の私のこと。まずは、「暴飲暴食を止める」「3食をきちんと摂り、間食を減らす」ところから始めています。仕事で自転車を使ったり、ゴルフの打ちっぱなしを楽しんだりと、日常生活の中で続けられる運動もしています。

寝たきりになって周りに迷惑をかけるのは嫌なので、あと20年ほど現役で過ごし、身辺整理をしてからポックリ逝けたらなぁ(笑)。延命のために節制する気など、さらさらありませんでしたが、血糖値や尿酸値が高いとわかると、インシュリン注射や痛風で苦労している知人の姿が頭に浮かび、「これ以上に悪くなってはいけない」と意識するようになりました。健康に無頓着だった私がここまで変われたのは治験のおかげ。もっと早くに治験と出合っていればと思う今日この頃です。