2013年 11月 06日
脂質異常
メディマグ.健康相談室
食品の情報、昔と評価が変わったものについて
相談者:C.M(36歳・女性)2013/11/22
昔はコレステロールが高いので食べてはいけないとされていた食品が、今では食べ過ぎなければ大丈夫と言われるようになったものなどがありますが、一度入った情報はなかなか抜けません。
昔と今で評価の変わった情報がまとめて見られるようなものがあると助かるのですが、そういったものはありますか?
A 比較的理解しやすく情報の精度が高いのは、NHKや放送大学の医療系番組など。
非常に面白いご質問ありがとうございます。医師である我々も、日々進歩する医学知識に追いつくために苦労していますが、評価の変わった情報がまとめて見られるものは残念ながら知りません。医療従事者は、主に国内外の最新の医学の教科書、国内外の権威ある医学雑誌、国内外での学会発表などを参考に新しい情報を得ています。同じ方法は一般の人にも可能なのですが、基礎知識なしに理解できるものは少なく、現実的ではありません。テレビや雑誌でも医学情報は氾濫していますが、情報の取り扱いに慎重さが欠けているものが多く、すべてを信じると情報に振り回されることになります。基礎知識がなくても比較的理解しやすく情報の精度が高いと私が感じているものは、NHKや放送大学の医療系番組や、医学生や看護学生向けの教科書です。
ちなみに、昔と今でコレステロールに関して評価が大きくかわったものは、イカとタコくらいだと思います。以前は、イカとタコにはコレステロールが多く含まれるため、あまり食べない方が良いといわれてきましたが、これらには悪玉コレステロールを下げるタウリンが多く含まれていることなどから、現在では問題なしとされています。
他に指導法に変化があったのは、卵とオリーブオイルです。以前はコレステロールが多く含まれる卵は食べない方が良いとされていたのが、現在は少しなら食べても良いと変化し、オリーブオイルはコレステロールを下げるので問題ないとされていたのが、あまりに多くのオリーブオイルを摂るとカロリーが高くなるので問題だというように変化しています。ただ、これらの変化は考え方が根本的に変わったというよりは、昔の指導法では不都合な面があったので改められただけだと思います。