治験ボランティアってご存じですか?
治験は開発中の薬の有効性や安全性を確認するためにおこなう臨床試験で、その最終段階の協力者として欠かせないのがボランティアの存在です。
長い年月をかけて基礎研究、非臨床試験を通過した新薬の候補も、「実際に人が使用してみて、どんなふうに作用したか」という臨床試験のデータなしには厚生労働省の承認を受けられないからです。
すべての薬はボランティアの方々のおかげで誕生するのです。
参加する治験が決まったら、被験者として適格かどうかを判断するため、健康診断を受けていただきます。治験の健康診断は、約50項目を調べる詳しい検査です。 万一、健康診断で病気が見つかった場合は、治療するための病院も紹介します。
治験の期間中は、投薬・診察・検査以外の時間は何をしていてもOK。漫画や雑誌、DVD、ゲーム機が揃った娯楽室やPC完備のインターネットルームで楽しく過ごせます。食事も栄養バランス抜群の手作り料理が、3食決まった時間に提供されるので心配ご無用。
治験ボランティアには一定期間の入院・通院などの条件が必要なので、さまざまな人がいます。小劇場の劇団員、世界を旅するバックパッカーといった、普段の生活では出会うことのない人たちと知り合える可能性大。友だちの輪が広がります。
治験では薬の吸収、排泄、薬理作用や安全性を検証します。正確なデータの収集のために、入院下や頻回の通院での管理された環境下で検査・観察を行います。そのため参加された方は諸規則を守らなければなりません。そんな負担に対してお渡しするのが負担軽減費(協力費)です。
いま世に出ている薬はすべて治験をクリアしたもの。つまり治験参加は「次の世代に役立つ薬を残す」という社会貢献なのです。あなたが参加した治験で優れた新薬が誕生し、病に苦しむ人たちが救われるなんてすばらしいことですよね。
新大阪駅から徒歩5分の場所にある大阪治験病院。日本初の治験に特化した病院として、2005年に開設されました。
談話室には、800枚のDVDや3000冊の漫画のほか、ゲーム機も複数用意しています。談話室では、ボランティアの方同士で交流することも可能です。
勉強や読書に集中したい方は、静かな学習室を利用することが可能。また、インターネットルームも自由に使えます。
入院中に食事をする方には、治験の制限に合わせて、栄養士と調理師が工夫をこらしてつくったメニューを楽しんでいただきます。
待ち時間ゼロで診察や検査を受けることができます。また、一人ひとりの診察時間をたっぷり設けているので、お医者さんとじっくり話をすることができます。
予想される副作用については、治験に参加する前に説明をします。万が一、治験中に何らかの健康被害が生じた場合は、それにかかる治療費、検査費や入院費用などは、製薬会社が負担します(ただし、被験者の故意や重大な過失によって生じた場合には、補償に制限がつく場合や、補償が受けられない場合があります)。
治験期間中にかかる治験薬代、診察料、検査費用は、製薬会社が負担します。治験に参加してくださった方には、治験のルールを守っていただくなどの義務や責任が生じるため、それに対する負担軽減費(協力費)をお渡ししています。
治験への参加は、個人の自由意思にもとづいて行われます。ボランティア登録をしたからといって、治験に参加しなければならないわけではありません。治験に参加する前や、治験に参加している途中でも、参加をやめることが可能です。
治験に参加する方のプライバシーや人権を守ることは、厚生労働省の省令(GCP)で決められています。また、個人情報の保護に関する法律と薬事法の規定により、治験関係者には守秘義務が課されています。治験に参加する方のプライバシーは、厳重に守られています。
インクロムは、糖尿病や高血圧症の薬をはじめ、目薬や花粉症の薬、C型肝炎の薬など、さまざまな医薬品の開発をサポートしてきました。1983年に初めて治験事業に携わって以来、インクロムが携わった治験の件数は、1,600件以上にのぼります。
インクロムで行われる治験は、平心会に所属する「大阪治験病院」「OCROMクリニック」「ToCROMクリニック」で行われます。いずれも治験に特化した医療機関であり、大勢の治験ボランティアを支えてきた「治験のプロ」が、ていねいな対応を行います。
インクロムは、治験をより多くの方に知ってもらうために、その啓発活動にも力を入れています。治験は、医薬品の開発にはなくてはならないプロセスですが、大勢の方に知られているとはいえないのが現状です。インクロムでは、医薬の進歩に貢献するためにも、治験の理解を広げる活動が不可欠だと考えています。
2013年2月から、治験を知ってもらうためのテレビCMを放送しています(関西のみ)。 この作品は、日本において、民間企業が初めて放送した治験啓発CMです。
治験ボランティアセンターをPRするオリジナルキャラクター。 地域のイベントなどに参加し、幅広い年齢層の方に治験を知ってもらう活動を行っています。