ボランティアの声

田谷野 孝さん(62歳)

田谷野孝さん 高血圧症の人を対象にした治験に参加しています。今回が2回目の参加です。

61歳のとき、約40年間勤めた会社を退職しました。それまでが忙しかったぶん、突然仕事がなくなったら、何をして良いのか分からなくなってしまって……。社会から取り残されたような気がして、少し落ち込みがちになっていました。そんなとき、たまたま治験のことを知って、参加してみることにしたんです。

初めて参加した治験は、入院するタイプでした。そこでは、薬を服用する時間まで、とても厳格に管理していることに驚きました。薬を服用しようとした際に「まだ3秒早いですよ!」と止められたときは、厳しすぎてつい笑ってしまいましたが(笑)。でも、正確なデータを取るために、本当に細かく注意しているということですよね。
現在参加しているのは、通院するタイプです。朝と夜に3回ずつ血圧を測るのは大変ですが、一日のリズムができるので、ありがたいと思っています。

最近楽しみにしているのは、2週間に1度の検査結果をチェックすること。私は血圧が高いのですが、他はキレイに正常値なんです。少しでも異常な値が出ると、ドクターに「これを正常値に戻したいです」と相談します。ドクターのアドバイスに従って、食事や睡眠に気を付けると、次の週は正常値に戻るので感心しますね。今後も、良い検査結果を出すために、がんばりたいと思います。

世の中には、病気で苦しみながら、新しい薬を待ち望んでいる人がたくさんいます。私が1度や2度治験に参加したところで、大勢の人を救えるわけではありません。でも、少しでも誰かの役に立てるなら、嬉しく思います。
治験に関心がある人は、一度説明会に参加してみてください。そこで納得できたら、ぜひ治験にも参加してほしいです。治験者が増えたら、良い薬が増えて、きっと喜ぶ人も増えるはずです。