ボランティアの声

鈴木孝さん(34歳)

鈴木孝さん 子どもの頃から喘息もちなんです。週に一度、病院に行って注射、ずっとそれがつづきました。でも、そもそも原因がわからないわけですから、良くなることはなかったです。

小学校の4年生くらいの頃から、発作があまり出なくなったんですね。季節の変わり目に出るくらいで、日常生活は普通におくれる、それで通院もやめたんです。だけど20歳のときに、また具合が悪くなりました。転職して職場環境が変わった、すごい埃っぽいところで働くようになったせいだと思います。その仕事は2年ほどでやめました。当時とくらべると、今はずいぶんマシになりましたけど、年に何度かは発作が出ます。

治験に参加したのは5年くらい前です。会社の後輩が花粉症の治験に参加したことがあって、その彼から、喘息の人を探してるみたいですよと教えられて。もちろん治験なんて言葉も知らないくらいでしたから、不安はありましたよ。

きちんと説明を聞いて、それから実際に参加して、その不安はなくなりました。もう4、5回は参加してますよ。嫁さんも最初の頃は「危なくないの?」とか言ってましたけど、今は「行ってらっしゃい」って。会社の後輩でアレルギー持ちの子にここを紹介したりもしましたし。危険とか胡散臭いと感じてたら、そんなことしませんよね。

喘息ってすごく苦しいんです。いくら吸っても空気が入ってこないから、夜も寝られない。そういう発作が1週間ぐらいつづくときがある。子どもの頃は、母親が夜通し背中をさすってくれた。病院に行ってもまったく良くならない。それが高校生のときに、新しく出たっていう吸入のクスリを使ったら、一瞬で発作が消えてしまったんです。もう、そのときは衝撃的というか、感動でした。僕が子どもの頃にこのクスリがあればなあ、母親も寝られたのになあって、治験のときにはそんなことを思い出します。