ボランティアの声

太田瞳さん(33歳)

太田瞳さん アレルギー性鼻炎は子どものときからで、季節の変わり目などにひどくなると鼻からのどにきて、扁桃腺が腫れて熱がでるんです。
大人になってからも、会議や試験中にくしゃみが止まらなくなって退出したり、10代のころは「鼻をかむ」という行為に抵抗があって人前ではハンカチでおさえて、どうしても我慢できないときにはトイレでかんだり、それなりに悩まされてきました。
折々に薬は使っていましたが、中には眠気が起こるものや胃が荒れてしまうものがあって服用を続けられないときもあり、「副作用が軽くてよく効く薬があったらいいのに」とずっと思っていました。

フリーペーパーでアレルギー性鼻炎の治験参加者募集の広告を見たのは、7、8年前でしょうか。
症状をラクにしたい気持ちはよくわかるから、よりよい新薬が生まれるのなら協力しようかなと。学生時代にも地域のNGOに参加していたし、ボランティアへの関心はどちらかというと高いほうかもしれません。

いまは治験を、自分の症状や体質と向き合う機会としてとらえています。
鼻炎ってうっとおしいけれど深刻な病気ではないでしょう? だから癖みたいなもので普段はいちいち考えたりしません。ところが、治験に参加すると日記をつけますから、どんな天気のとき、何をしたときに症状がでたか自然とわかってくるのです。
記録することによって以前より変化に敏感になって、掃除のときにマスクをするなど、予防にも気を配るようになりました。

責任感や義務感が芽生えるから、続けられる部分もあります。
たとえば、噴霧薬には1日何回という指定がありますが、治験でなければ忘れたり都合で抜かしたりするかもしれません。でも、日記に書かなければいけないし、正確なデータがとれないといけないと思うと守れるんです。

今度参加する予定の治験も通年性アレルギー性鼻炎ですが、日常生活に支障をきたさない範囲であれば、ほかの疾患の治験に参加してもいいと思っています。ただ仕事の都合で平日は通院できませんが。
そういえば、勤めていると耳鼻科にも土曜や夜間など混む時間帯にしか行けないのですが、治験期間中は仕事が休みの日に、長時間待たず専門医に診てもらえるので助かりました。