ボランティアの声

畠山ヨシ子さん(63歳)

畠山ヨシ子さん 5年ほど前だったでしょうか。友人と食事の約束をしていたレストランに着くと、彼女が何か膨大なデータを見つめていました。

「人間ドックにでも入ったの?」と尋ねてみると、治験に参加したときの検査結果とのこと。定期的に市民検診は受けていましたが、費用の嵩む精密検査は後回しにしていましたから、「うらやましいわ」と口に出してしまいました。すると友人が、「治験参加の条件に合うかどうかはわからないけれど、健康診断だけでも受けてみたら?」と勧めてくれたのです。

後日参加した登録説明会では、タミフルの開発を例に、治験の仕組みを解説していただきました。インフルエンザで高熱を出してタミフルに助けられたことがあったので、治験がいかに重要で、自分にとって無縁ではないことを感じました。

説明会後、軽い気持ちで健康診断を受けてみたら、「血圧が高いですよ」と予期せぬ指摘を受けて大慌て。お医者さまから、効果が期待できそうな薬の組み合わせや、高血圧症のボランティアを募集しておられることなどをうかがいました。治験参加はいつでも中止できることを聞いて安心し、協力させていただくことに決めました。

色々な健康法に手を出しては挫折していた私が、治験ボランティアだけは何年も続いている様子を見て、娘は「よく続くわね」と不思議そう。クリニックに行くだけでルルルンと鼻歌を口ずさみたくなるほど、スタッフの皆さんの接遇が素晴らしく、ご機嫌になれるからだと思います。また、毎回届く血液検査の記録は、市民検診とは項目数も検査の精密さもまるで違い、値打ちがある資料です。「これが本当にボランティアなの?」と恐縮するほど自分のプラスになることばかり。今でも元気に外回りの仕事を続けていられるのは、治験と出合えたおかげだと、感謝の気持ちでいっぱいです。