治験ボランティア体験談

R.Sさん
52歳 / 男性
10年ほど前、タウン誌で治験に参加しませんかという案内を見かけたんです。コレステロール値が高くて、クスリを飲んでいない方を探していますと。
参加にはふたつの理由があります。ひとつは、会社の健康診断で高脂血症の危険性を指摘されていたこと。気にはなっていたけど、ずっとほったらかしにしていたんですね。
もうひとつが、私は血液型がRHマイナスというかなり珍しいタイプで、昔は趣味のように献血をしていたんです。RHマイナス友の会みたいなものがあって、血小板が足りないって日赤から電話がかかってきたりする。誰かが私の血を必要としていて、逆に私も誰かの血で助けてもらうときもある。治験も同じようなものだなと。献血や治験に協力することが誰かの喜びに変わっていく、それって素敵やねという気持ちがあるんです。
クスリに対する不安感はありません。開発中の新薬といってもリスクヘッジはされてるだろうし。それと、若い頃、クスリを飲まずにがまんしたせいで逆にひどい目に遇ったことがあるんです。12月で仕事がものすごく忙しくて、調子が悪いのに無理をして働いていたんですね。カラダ中が痛い、だるい、微熱がずっとつづく。シャツのボタンが留められないくらいしんどくなって、やっと病院に行ったら即入院。帰ったらあかんと。急性肝炎でした。それから3か月入院。病室にいると、同じ肝炎で亡くなる方を見たりするんですね。もう、これはがまんしてる場合じゃないなと。早く医者にかかって、早くクスリを飲むなりなんなり、処置してもらうのが、いちばん安心だと思い知ったんですよ。
治験はこれからも参加していくつもりです。コレステロール値? 下がらないんですよ。3年前にタバコをやめたんですが、それで味覚が変わった、食事が美味しくなって体重が増えてしまった。これじゃ禁煙で、かえって不健康になったみたいですね。