2017年 04月 06日
目のトラブル
目のトラブル健康コラム
40代から始まる白内障。目に優しい生活で白内障に備える

白内障ってどんな病気
水晶体の濁りが見えにくくなる原因
白内障は、眼の水晶体が濁る病気です。水晶体は眼のレンズとして外から入る光を屈折させ、眼球の奥の網膜に像を結ぶ役割を負っています。本来は無色透明で、とりわけ赤ちゃんの眼の水晶体は非常にクリアで濁りがありません。しかし、明らかな原因は解明されていませんが、加齢に伴い濁りが生じていきます。また、それ以外の何らかの外的な要因によって濁りが生じることもあります。
歳をとると白内障になりやすい
日本では白内障の多くは加齢によるものです。歳をとると眼の機能は少しずつ衰えていきます。近くのものが見えにくくなる「老眼」も、眼の老化現象ですね。
自然に進行していく白内障の場合、早い人は40歳代くらいで兆候が出始め、60~70歳代でその割合は増加していき、90歳代にもなるとほぼすべての人の眼は白内障になっているといわれます。老人性の白内障は、眼の経年劣化によるものといってもいいかも知れません。
水晶体の濁りはタンパク質の変質
白内障の水晶体の濁りの正体は、水晶体の中にあるタンパク質(クリスタリンタンパク)の変質です。たとえば、卵の白身を想像してみるとわかりやすいでしょう。卵の白身はタンパク質そのものです。そこに熱を加えればすぐに白く固まり、また、撹拌や衝撃を与えても白身はすぐに白く濁ります。タンパク質にはそういう性質があるのです。それと同様に、何らかの刺激で水晶体内のタンパク質が変質した状態が白内障というわけです。
白内障の代表的な症状
白内障になると、どのような症状が現れるのでしょうか。水晶体に濁りが生じると光を通しにくくなり、タンパク質が変性した部分に光が乱反射するなどして、その結果モノが見えにくくなったりまぶしく感じたりします。具体的には、次のようなことです。
①目の前が暗く感じる
②霧がかかったように視界がかすむ
③夜道の街灯などにまぶしさを感じることがある
④昼間と夜で見え方の差が大きい
加齢による場合、白内障の進行はかなりゆっくりしているので、本人にとって自覚症状はほとんどないかもしれません。見え方に対する“慣れ”も同時進行していくからです。
加齢以外の原因でも白内障は発症する
しかし、顔を殴られて眼にダメージを受けたり、球技をしているときに顔面にボールが当たって眼に衝撃が加われば、若い人でも白内障が起きる可能性は十分にあります。事故などによって何か眼にトラブルがあった後、上記のような症状が現れたとすれば、白内障を疑っていいかも知れません。
また、外傷によるばかりでなく、糖尿病やアトピーの影響によって発症する白内障、先天的な障害による白内障などが知られています。
手術と薬で抑える白内障
世界的に見ると、失明原因の第一位は白内障です。ただし、これは医療環境の整っていない途上国のデータを含めた結果です。幸いにして、日本では白内障で失明に至ることは滅多にありません。
しかし、白内障は一度なってしまうと薬によって回復させることは今のところ不可能です。薬は進行の抑制に用いられ、白内障を改善してもとの眼の機能を取り戻すためには手術が必要です。
眼の手術というと、ちょっと怖いようなイメージを持つ人が多いようですね。しかし、白内障の手術は、日本国内で年間140万件も行われているポピュラーなもの。日帰りで行うことのできるレベルまで進化しています。
手術内容は、濁った水晶体を取り除き、人工の眼内レンズに入れ替えるというもの。眼内レンズは現在さまざまな種類が開発されており、いずれも安全性の高いものです。レンズを使用できる期間も、今や50年はもつものまで出現し、白内障の治療技術は目覚ましい進歩を遂げているといえるでしょう。
白内障の予防について
ポイントはいくつかありますが、まずは紫外線を避けるということ。紫外線は水晶体にダメージを与える大きな要因なので、紫外線の強い季節の日中、あるいは雪が積もった銀世界などではサングラスを使用しましょう。また、糖尿病があると若くして発症したり、進行も早めたりしますので、生活習慣の改善も大切といえます。