図１は、肩関節を上から見た筋肉の配置を描いています。肩甲骨に上腕骨頭が接合していて、前面には肩甲下筋と大胸筋、後面には棘下筋(きょっかきん)があり、肩関節を前後から支えて動かします。この図からもわかるように、肩関節前後の筋力バランスは前面の方が優位になっています。これは、ヒトが手を体の前で動かして生活することに適応した構造です。その結果、肩関節の後面に弱点をつくってしまったと言えます。この弱点を補強する筋力トレーニングは、スポーツによる肩の傷害や五十肩を防ぐ具体策となります。